なぜ断られるのか?買い手企業がM&Aを見送る“5つの典型パターン”
2025/12/11
こんにちは。MAny運営事務局です。
M&Aの交渉では、買い手企業が“見送る”ケースは珍しくありません。
しかし、多くの売り手経営者は
「理由が分からないまま終わってしまった」
と感じることが多いのが実情です。
そこで今回は、買い手が検討を見送る時に特に多い“5つの典型パターン”をご紹介します。
■① 社長依存が強すぎて引き継ぎが困難
中小企業ではよく起きるケースです。
・主要顧客との関係は社長が直接管理
・営業ノウハウが社長の頭の中にしかない
・現場判断の多くが社長に集中している
買い手企業からすると
「社長がいなくなった途端、事業が成り立たないのでは?」
という懸念につながります。
特に“技術・営業・財務”のいずれかが社長1人に依存している場合、引き継ぎのリスクから断られるケースが多く見られます。
■② 重要な数字が不透明・説明が曖昧
財務数値そのものよりも、
「説明の整合性」
が重視されます。
買い手が不安を感じる例:
・粗利率の変動理由が曖昧
・売上の一部が“社長の個人的取引”扱いで数字に反映されていない
・在庫・仕掛品の計上が実態と合っていない
・経費処理が属人的で、再現性が不明
数字が“分かりづらい”という理由だけで見送られることも珍しくありません。
不透明さ=リスク、というのが買い手の判断基準です。
■③ 社員の離職懸念や内部の不安が大きい
買い手が最も慎重になるのが“人の問題”です。
例えば:
・キーパーソンが退職を検討している
・社内の雰囲気が不安定
・社長交代による混乱が懸念される
・統合後に給与体系が変わりそうで社員が不安
買い手企業は、「引き継いだ瞬間に人が辞めるリスク」を非常に警戒します。
逆に言えば、社員が安定して働ける環境は、極めて大きな評価ポイントになります。
■④ 買い手側の“戦略に合わない”と判断される
これは売り手からは見えにくい理由ですが、実は最も多いパターンのひとつです。
・地域拠点を広げる方針ではない
・業種的に相乗効果(シナジー)が弱い
・投資対象の規模と合わない
・人手不足対策にならない
・自社グループの技術体系とかみ合わない
買い手企業の“中期経営計画とずれている”というだけで見送りになるケースもあります。
売り手の価値とは関係なく、“戦略上のミスマッチ”が起きてしまうのです。
■⑤ 商習慣や社内文化が合わない(カルチャーフィットの問題)
数字や条件が合っていても、
「この会社と一緒にやっていけるか?」
という視点が欠かせません。
典型的なズレの例:
・トップダウンの会社同士でスタイルが異なる
・顧客対応の姿勢が買い手の基準と合わない
・現場主導の文化が強すぎて統合後に運用が難しい
・社長の価値観が買い手の理念と大きく異なる
文化のズレは、統合後のトラブルにつながりやすく、買い手にとって大きなリスクです。
■“断られる理由”が分かれば、準備はできる
これらの理由は、どれも事前の準備や伝え方で改善できる可能性があります。
・社長依存を下げるために業務マニュアルを整える
・重要な数字を整理し、説明に一貫性を持たせる
・キーパーソンの不安を軽減する
・自社の文化や強みを丁寧に言語化する
準備が整っている企業ほど、買い手からの評価は大きく高まります。
■MAnyなら、“複数の仲介会社”の視点を比較できる
仲介会社は各社、異なる買い手ネットワークや“評価の軸”を持っています。
MAnyでは、複数の仲介会社から意見を得られるため、
「どこを改善すれば買い手から見た魅力が上がるのか」
を立体的に理解できます。
交渉がうまく進まなかった理由を“運”や“相性”で片づける必要はありません。
正しい情報を集め、準備をし、適切な相手にアプローチできれば、成功の確率は大きく上がります。
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